お寿司は生のままの魚がネタに使われているので、妊娠中には避けたほうが良い場合もあります。お寿司屋さんに行くときには、お寿司の選び方に注意して食事を楽しみましょう。

妊娠中には避けたほうが良いネタ

魚は妊娠中の栄養バランスを整えるためには非常に良い食材ですが、妊娠中には食べてはいけない種類の魚があります。妊娠中には避けなくてはいけない魚について確認していきましょう。

調理してある魚も含めて特定の魚に含まれる水銀量

妊娠中には魚に含まれる水銀量が一定の基準を超えないように注意する必要があります。なぜなら、お母さんが水銀を多く摂取してしまうと、お腹の赤ちゃんが水銀を取り込んでしまうからです。お母さんの身体からは、約2か月かけて水銀は徐々に排出されていきますが、お腹の赤ちゃんは取り込んだ水銀を排出することができず、音を聞いた時の反応が遅れる状態になる可能性があるといわれています。

魚によって含まれている水銀の量が異なりますので、お寿司屋さんに行く週は、家庭での食事では魚を控えるなどの工夫をして1週間で水銀の量が基準を超えないようにします。

  • キダイ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロの切り身や刺身1人前を80グラムとした場合に含まれる水銀量は、一週間で摂取しても良い基準値の2分の1なので、1週間で2回食べることができます。
  • キンメダイ、メカジキ、本マグロ、メバチマグロは、切り身や刺身1人前を80グラムとした場合に含まれる水銀量は、基準値を満たしてしまうので、1週間に1回だけ食べられます。
  • マグロの中でも、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチは1週間に80グラムまでですが、キハダ、ビンナガ、メジマグロは水銀を気にする必要はありません

お寿司で食中毒をおこす危険性のある細菌・ウィルス・寄生虫

  • 腸炎ピブリオ 腸炎ピブリオは沿岸の海水中や海泥中にいる好塩菌の一種で、水温が上がる季節には増殖し、食中毒を引き起こします。2、3時間ですぐ症状が出る場合もありますが、ほとんどの場合、8時間から24時間潜伏した後に腹痛、下痢、嘔吐などの症状が現れます。梅雨から夏にかけての時期には、アジ、サバ、タコ、イカなどは腸炎ピブリオを引き起こす恐れがありますので避けましょう。
  • NAGビブリオ、ビブリオ・バルニフィカス等 ナグビブリオ、ビブリオ・ミミカスオ、ビブリオ・フルビアリスなどの菌は、魚介類、カニやエビにつていて、嘔吐、腹痛、下痢、発熱など、コレラに似た症状を引き起こします。
  • エロモナス・ヒドロフィラ、エロモナス・ソブリア エロモナス・ヒドロフィラとエロモナス・ソブリアは、主に淡水中に常在する細菌ですが、沿岸海域にも分布している為、エビ・カキ・海産魚介類から感染することがあります。
  • 黄色ブドウ球菌 食べ物の中で増殖してエンテロトキシンという毒素を作って食中毒を起こす黄色ブドウ球菌は、食後3時間程度で発症します。吐き気、嘔吐、腹痛、下痢などが起こります。
  • リステリア菌 チーズは生ハムについている細菌ですが、スモークサーモンについている場合もあります。発熱、頭痛、嘔吐、下痢、悪寒などの症状が出ます。
  • サポウィルス ノロウィルスと同じ種類のウィルスであるサポウィルスは小腸粘膜で増殖し、食中毒を起こします。カキなどの2枚貝を生食することで感染し、嘔吐、下痢、発熱などの症状が現れます。
  • アニサキス アニサキスは幼虫がサバ、イワシ、カツオ、サケ、イカ、サンマ、アジなどの魚介類につく寄生虫です。幼虫がついた魚介類を食べると、幼虫が胃壁や腸壁に侵入して食中毒を起こします。胃壁に侵入するとみぞおちの激しい痛み、悪心、嘔吐がおこる急性胃アニサキス症、腸壁に侵入すると激しい下腹部痛、腹膜炎症状がおこる急性腸アニサキス症が発症します。

妊娠中には食中毒を起こしやすい理由

水銀の量は週の基準値を超えなければそれほど神経質になる必要はありませんが、食中毒には十分な注意が必要です。もちろんお刺身を食べたからといって食中毒を必ず起こすわけではありません。

抵抗力が低下している

妊娠中は、お腹の赤ちゃんを攻撃しないように、免疫力を低下させるホルモンが分泌されています。通常であれば感染しない程度の微量の細菌やウィルスでも、妊娠中には食中毒を引き起こしてしまう恐れがあります。

悪阻などで体力が低下している

一般に知られている細菌以外にも、様々な魚に付着している恐れのある細菌は多数あります。抵抗力が落ちている、悪阻で体力が落ちているというような状態が続く妊娠中に、食中毒を起こし、下痢や嘔吐、発熱などが引き起こされれば、脱水症状に陥るなど、深刻な事態になりかねません。

長い一生を考えれば、妊娠している期間はほんの短い間です。その時期を健康に安全に過ごし、健やかな赤ちゃんを出産する為には、お刺身類は避けたほうが良いでしょう。妊娠中に食べても安心なお寿司のネタは、卵焼きや納豆、火を通したアナゴなど、お刺身以外のネタです。

妊娠中にはお魚をたくさん食べましょう

お刺身は避けたほうが良いのですが、魚には妊娠中の栄養バランスを整えることを助けるとても良い栄養素が詰まっています。血液をサラサラにする効果があるので、妊娠中に発症しやすい妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群の予防にも繋がります。煮魚、焼き魚などにしてたくさん食べましょう。

魚に含まれる栄養素

  • エイコサペンタエン酸(EPA) サバ、イワシ、サンマなどの青魚に含まれている必須脂肪酸であるエイコサペンタエン酸(EPA)には、中性脂肪やコレステロールの数値を下げて、血液をサラサラにして血管を健康に保つ働きがあります。
  • ドコサヘキサエン酸(DHA)も必須脂肪酸ですが、脳に働きかけて考える力、記憶する力を向上させます。エイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)を一緒に摂取することがより効果を高めることに繋がります。
  • タンパク質 魚には消化しやすいタンパク質が含まれています。妊娠中には胃腸の機能が低下しているので、肉よりも胃腸にかかる負担の少ない魚からタンパク質を摂取しましょう。
  • タウリン アミノ酸の一種であるタウリンにもコレステロールを低下させる効果があります。また、眼精疲労を軽減する働きもあります。エビ、タコ、イカ、貝類などに含まれています。
  • カルシウム 全ての魚に含まれているカルシウムはお腹の赤ちゃんの骨や歯を丈夫にする為に重要な栄養素です。赤ちゃんにたくさんのカルシウムを送ってしまうので、お母さんの身体からはカルシウムが不足しがちです。その為、十分なカルシウムを摂取できる魚はとても良い食材です。
  • アスタキサンチン 赤色系の魚に含まれるアスタキサンチンには抗酸化作用があり、コレステロールを低下させる効果の他に、疲労回復、乾燥肌の改善、自律神経のバランスを整えるなどの働きがあります。サケ、イクラ、エビなどに含まれています。

魚の水銀量を気にする必要のない魚

キハダマグロ、ビンナガマグロ、メジマグロ、ツナ缶詰、エビ、サケ、タラなどは、週の基準値を気にせずに食べることのできる魚です。体調が悪く、調理ができない時期には、魚の水煮やツナなどの缶詰を利用するのも良い方法です。

まとめ

お魚ののったお寿司やお刺身は妊娠中には我慢しておいた方が無難です。とはいっても、魚類には良い栄養素が豊富に含まれているので、積極的に食事にメニューに取り入れましょう。妊娠中に、お寿司屋さんに行ったときには、卵焼きやかっぱ巻き、カリフォルニアロールなどを食べてお寿司は我慢しましょう。数か月すれば、いくらでも食べられます。