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妊娠中に感染すると危険なトキソプラズマ!症状や胎児への影響は?

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トキソプラズマは、寄生性原生生物によって引き起こされる感染症です。海外では感染率の高い国もありますが、日本では感染率が低かったことから、必ず受けなくてはならない検査項目には含まれていません。しかし、感染すると、胎児が先天性トキソプラズマ感染症を発症する恐れがあること、誰もが感染している可能性を持っていることから、受けたほうが良い検査項目の一つであると言えます。

トキソプラズマ感染症とは

トキソプラズマは、感染しても発症しない不顕性感染が多いことから、通常の健康な状態であれば、気が付かないうちに治っていることの多い感染症です。症状が出たとしても、倦怠感、発熱や頭痛、リンパ節の腫れなど、風邪の初期のような症状なので、感染に気付かないのです。ところが、感染時に妊娠していた場合には、胎児に感染して深刻な状況になるリスクがあります。

先天性トキソプラズマ感染症が胎児に引き起こす症状

妊娠中にトキソプラズマに感染してしまうと、胎盤を通過して胎児に母子感染することがあります。お母さん自身は感染しても症状がありませんが、胎児のうち約30パーセントが母子感染し、そのうちの数パーセントから20パーセントに先天性トキソプラズマ感染症が発症します。

特に妊娠初期に感染した場合には、重症化するリスクが高く、流産や胎児死亡に繋がることがあります。また、生まれることができても、水頭症、脳室拡大、脳内石灰化、網膜脈絡膜炎といった脳の発達や視力に関わる深刻な障害が引き起こされます。その他にも、肝機能障害、黄疸、貧血、血小板減少による皮下出血、リンパ節腫脹などの症状が現れる場合もあります。

妊娠後期には、感染する確率が上がりますが、胎児の器官形成がほぼ終わっているため、初期ほど重篤な障害は起きません。不顕性感染であった場合には、無事に生まれてきますが、成人になるまでに、網膜や脈絡膜の炎症による視野異常や視力障害、てんかんやけいれんの発作などの神経症状などの遅発性の症状が現れることもあります。

遅発性の症状が現れた場合、先天性トキソプラズマ感染症のよるものだということがわからないケースも少なくないので、遅発性の障害が現れる確率は、正確には分かっていないのが現状です。トキソプラズマが感染したことを知らずに出産してしまった場合、精神発達障害を持った赤ちゃんが90パーセント以上、次いでてんかんや麻痺を持った赤ちゃんが70パーセント、視力障碍が60パーセント、死亡が12パーセントであったという調査結果もあります。しかし、適切な治療を受けることによって、感染による悪影響を少なくすることができます。

トキソプラズマの感染経路

トキソプラズマは、接触感染や空気感染はしません。食品を通じて経口感染し、小腸粘膜から侵入して胎盤に感染、増殖して数か月かけて胎児にも感染が広がっていきます。

トキソプラズマには動物の体内に寄生し増力する増殖タイプ、寄生した動物の筋肉などに潜んでいるたくさんのトキソプラズマが入った袋状のシスト(嚢子)タイプ、小腸粘膜から侵入して寄生虫血症をおこすオーシスト(卵嚢子)タイプがあります。

シスト(嚢子)感染を起こす原因

生肉

トキソプラズマは67℃になるまで加熱しないと死滅しないため、生肉を食べるとトキソプラズマに感染する恐れがあります。生ハム、生ベーコン、生サラミなどは加工食品ではあっても、加熱処理をされていないので危険です。また、自宅で生肉を焼いて調理する場合には、中心まで火を通すことが大切です。妊娠中にはレアステーキは控えましょう。

殺菌されていない乳製品…生乳

市販されている牛乳には63℃で30分加熱処理した低温長時間殺菌法(LTLT製法)、72℃以上で15秒以上加熱処理した高温短時間殺菌法(HTST製法)、120~130℃で2~3秒加熱した超高温殺菌法(UHT) 、135℃~150℃で1~4秒滅菌処理した超高温滅菌殺菌法(LL)の4種類があります。どれも殺菌されているので飲んでも心配ありません。牛乳は心配ありませんが、高級食材を扱う店では、生乳を取り扱っているところもあります。生乳は加熱処理されていないため、牛乳より風味があり味が良く、栄養価が高い乳製品ですが、妊娠中は念のため控えておきましょう。

殺菌されていない乳製品…ナチュラルチーズ

チーズには山羊、羊、水牛などの乳を発酵させて製造するナチュラルチーズと、数種類のナチュラルチーズを組み合わせ、加熱して製造するプロセスチーズがあります。プロセスチーズは加熱してあるので食べても心配ありませんナチュラルチーズは、トキソプラズマ以外にも、リステリア食中毒のリスクもありますので、妊娠中には避けましょう。

オーシスト(卵嚢子)感染の原因

猫はトキソプラズマの終宿主です。終宿主とは、寄生虫が成虫まで発育できる生物のことです。トキソプラズマは猫の中で成長し、発育段階で寄生する生物である人や家畜を中間宿主とする原虫なのです。トキソプラズマは猫以外の動物にも感染しますが、それらの動物から他の動物に感染することや、その動物の中で増殖することはありません。

猫がトキソプラズマに感染すると、感染の3日~24日後から猫の糞の中にトキソプラズマのオーシストが排出され、10日程度続きます。ただし、これは、初めて感染したときにだけ起こることです。したがって、以前にトキソプラズマに感染したことのある猫が、再び感染したとしても、感染源にはなりません。ここまで読むと、猫を飼っている方は心配になられることと思いますが、基本的に室内飼いしている猫であれば、感染の危険はほぼありません。

猫を飼っている方へ

  • 完全室内飼いをすること
  • 猫に生肉をあげないこと
  • 猫の食事はキャットフードだけにすること
  • 妊娠中には新しい猫を飼い始めないこと
  • 猫のトイレはいつも清潔にすること

この5点に注意していれば、飼い猫がトキソプラズマに感染することを防ぐことができます。

野良猫の排せつ物にあったトキソプラズマのオーシストによって土壌汚染が起こると、1年以上感染力は衰えません。その為、猫を外に出すとそこから感染する恐れがあります。

また、ガーデニングなどで土いじりをした際に、爪の間などに入り込み、調理の際に食品に付着する恐れもあります。土壌汚染された場所で採れた野菜に付着している恐れもあります。ガーデニングをするときには手袋をすること、野菜を生で食べるときは、十分に洗うことに気を付けましょう。

増殖感染の原因

増殖タイプは粘膜からのトキソプラズマが侵入することで感染します。このタイプの感染は、トキソプラズマではほとんどないとされていましたが、近年になり、性感染症でもあるという論文も発表されています。猫を外に出すと、性感染する恐れもあるということになりますので、室内飼いを徹底しましょう。

まとめ

トキソプラズマの検査は、必ず妊婦検診の検査項目に含まれている検査ではありません。けれども、もし感染してしまえば、赤ちゃんへの悪影響の大きい怖い感染症です。できれば妊活を始める時に、それをしていなかった人は、初めの妊婦検診での検査で、トキソプラズマの抗体価を調べておきましょう

トキソプラズマに感染してしまった場合、感染直後であれば、胎児への感染を食い止める薬がありますが、完全ではありません。また、出生後の先天性トキソプラズマ症の治療薬で、日本国内で認可されている薬はありません。薬を入手するためには、個人輸入という方法しかありません。先天性トキソプラズマ症は、絶対に防ぐことのできる感染症です。検査をする、生の食物を避ける、常識的な猫の飼い方をするということに十分注意を払い、感染症を予防しましょう。

 

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