不妊治療

卵子凍結による不妊治療の種類とリスクなど徹底解説!

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凍結技術を用いた不妊治療には、卵巣組織凍結、未授精卵凍結、受精卵凍結、精子凍結という4つの方法があります。ここ数年、この治療法の中の一つである卵子凍結に対して、容認する考えを持つ人、さらに踏み込んで、健康であるにもかかわらず、試みることを検討する人が増えつつあります。

卵子凍結が、原則的には、どのようなケースの為に、研究されてきたのかということを理解する為、倫理的な問題も含め、それぞれの治療方法の違いや治療の意義、そして安全性と危険性について確認していきましょう。

凍結技術を用いた不妊治療の種類

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凍結技術を用いた不妊治療で、女性の為の治療には、卵巣組織凍結、未授精卵凍結、受精卵凍結という3つの方法があります。

卵巣組織凍結とは?

卵巣組織凍結とは、妊孕性温存療法の中の一つで、卵巣組織を採取し、凍結し、タイミングを見計らって、胎内に移植する方法です。現在では、日本国内でも、行われるようになった卵巣組織凍結ですが、世界的に見ても、その歴史は長くはありません。海外で初めて卵巣組織凍結が行われたのは、1997年で、始めての出産報告は2004年です。

卵巣組織凍結と卵子凍結との大きな違いは、自然妊娠ができることです。また、受精卵や未受精卵子を凍結させるよりも、多くの卵子を保存することができることや、排卵のタイミングを見計らう必要がなく、0歳から37歳までの幅広い年齢の人に適応することができるという特徴もあります。この治療法は、がん、または膠原病治療の副作用から卵子を守る為に行われます。

卵巣組織凍結の意義

がんの治療の為に、抗がん剤を使った化学療法やホルモン療法放射線療法を受けることが決まっている場合に、卵巣組織凍結は非常に有効な治療です。なぜなら、化学療法で使われる抗がん剤や、膠原病の治療に使われる薬剤の中には、卵巣の機能を低下させ、早期卵巣機能不全にしてしまう化学療法誘発性閉経が発生する確率が高いものがあるからです。

がんも膠原病も命にかかわる病気ですので、本人の命を守る為に最優先となるのは、病気の治療することです。しかし、そのことによって、妊娠できなくなること、子供を産み、育てるという希望を失わせることは、病気の治療に前向きに取り組むことを、阻むかもしれません。

病気の治療が終わった後には、妊娠することができるという希望は、健康な身体に回復する為の気力の源となって、がんや膠原病治療の大きな助けになります。その為、平成26年には、日本産科婦人科学会は、これらの病気と闘病している人々に対しては、卵巣移植、又は卵子凍結という治療方法を認めるという旨の発表をしています。

卵巣組織凍結のリスク

凍結した卵巣組織に、がん細胞が転移していた場合、がん治療が終了し、完治した後に移植すると、再発するリスクがあります。白血病、卵巣癌などの場合は、特にそのリスクが高いので、残念ながら卵巣組織凍結という治療法には、向いていません。

反対に、初期の乳癌がん患者が、卵巣組織凍結と移植をする場合には、安全性が高いことが、海外の医療機関から報告されています

卵子凍結とは?

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卵子凍結も、妊孕性温存療法の中の一つです。排卵誘発剤を使って、卵巣刺激を行った後に、未受精卵を採りだして、冷凍保存する方法です。

卵子凍結の意義

卵子凍結も原則的に、卵巣組織凍結と同じ意義を持っていますが、ここ数年、それ以外の目的で卵子凍結を希望する人が増えてきています。その目的とは、妊娠、出産の時期を調整することです。未婚である、結婚はしているが、仕事との折り合いがあり、まだ出産はしたくないなどの理由で、妊娠、出産の時期を調整したい場合に、卵子凍結を検討する女性が増えているのです。

 妊娠、出産を先延ばしにするということは、卵子が老化することに繋がります。卵子は、精子と違い、次々に新しい卵子が生まれてくるわけではありません。女性が生まれた時から持っている卵子は、増えることはなく、年齢と伴に減少していき、染色体異常を持つ卵子が増えていきます。その為、女性は年齢と共に、妊娠しにくくなっていくのです。

そこで、若いうちに、質の良い卵子を凍結保存し、人生のタイミングに合わせて、妊娠、出産をしたいと考える人が、この治療法を希望する訳です。妊娠、出産という神聖な領域に、自分の計画に合わせる為に踏み込むことに対する疑問を持つ考えもあれば、医学的な見地から、身体に対する負担が大きく、リスクが高いという考え方もあります。

この治療を希望する側は、できるだけ良い条件で妊娠出産する為には、便利な方法であると割り切る人が多いということなのでしょうか?若い女性が、将来の妊娠に備えて、卵子凍結を検討するということは、結婚年齢が高くなってきている社会的な現象によるものかもしれません。少子化対策として、助成金を出す自治体が出てきた為に、現実的に考える人が増えたのかもしれません。

妊孕性温存療法以外の目的で、卵子を凍結することに対する考え方は、まだ明確にはなっていない、肯定的な意見から否定的な意見まで様々な意見があるというのが現状です。その為、がんや膠原病などによるやむを得ない事情がない場合には、治療を受けいれない病院や施設もあります。

また、採卵や保存期間には制限があり、日本生殖医学会の未受精卵子および卵巣組織の凍結・保存に関するガイドラインでは、原則として採卵は39歳まで、保存は45歳までとされています。

卵子凍結のリスク

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妊孕性温存療法として行う場合には、排卵誘発剤の使用によって、がんを増殖させてしまうというリスクがあります。

全般的には、凍結する為の卵子を採卵する際に、卵巣出血を起こし、感染症を引き起こす可能性があること、受精卵凍結に比べて、卵子凍結は、凍結することが技術的に非常に難しい為、凍結する際の浸透圧変化によって、物理的な影響を受けやすいこと、染色体異常をきたしやすいことなどから、妊娠、出産の成功例が低いというリスクがあります。

また、採卵できる年齢に制限があるとはいえ、自然妊娠する人よりも、高齢になってから、体外受精の後、妊娠出産することになるので、成功率が低いというリスクがあります。卵子の老化は防げても、母体の老化は防げないからです。妊娠によって発症する様々な合併症を発症しやすくなります。

受精卵凍結とは?

体外受精や顕微授精で受精・発育した受精卵を凍結しておく治療法のことです。着床率を高くするタイミングを見計らう為に行われる全胚凍結と、移植した受精卵以外にも状態の良い受精卵があった場合に、予備として保存しておく余剰胚凍結という2種類の方法があります。

受精卵凍結の意義

母体の状態に合わせて、最も良いタイミングで移植できること、その為、着床率が高くなることがあげられます。また、度々採卵を行う必要がないので、排卵誘発剤による身体への負担を軽減することができます。

受精卵凍結のリスク

一旦凍結後、融解する為、凍結融解後に受精卵が変性する、破裂するといったリスクがあります。

まとめ

妊孕性温存療法以外で、卵子凍結をし、妊娠出産したケースが、日本国内でも報告されたことや、卵子凍結への助成金を試みる自治体が出現したことで、現実的に卵子凍結を捉える人が増えてきました。

しかしながら、まだ十分な数の症例がある訳ではなく、確実に安全とは言えない状態であることを、理解しておくことが必要です。また、もう一つの現実として、多額の費用をかけて卵子を凍結したものの、妊娠、出産までは進まず、卵子凍結のままの状態になっているケースも、少なくないということがあります。

今、まだ若く、健康な妊娠、出産ができる年齢と身体であれば、卵子凍結よりも、仕事との折り合いをつけて、自然妊娠を目指すという選択もあるということを、忘れないことが大切です。

 

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